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にほんごのれんしゅう

日本語として伝えるための訓練を兼ねたテクログ

フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち

2009年 ゴールドマン・サックスプログラマが逮捕されたことがずっと気になっていた

 本を読むモチベーションとして,5年越しの疑問に対して答えが得られたことが大きい.
 当時,私は大学生でベイジアンネットワークやSVMでディシジョンメーキングできる理論を構築しろと尻を叩かれていた.
 また,IBMインターンシップに偶然受かったりして,理系の真髄を垣間見た瞬間でもあった.(大和研究所みたいなところはご遠慮願いたいが)
 深夜,ぼーっとテレビを見ていると,かの有名なゴールドマンサックスのロシア人従業員が逮捕されたというのではないか.時に,その当時の超高速取引という概念が出たばかりであり,英語版Wikipeidiaにも腑に落ちるような内容が記載されておらず,どのように意思決定(ディシジョンメーク)して,売り買いするのがさっぱりわからなかった.非常に非理論的であるが,このロシア人が超高速取引の意思決定プログラムを盗んだのではないかとずっと疑っていたのだ.
 超高速取引の意思決定理論は,当時の研究対象の無線LANの自動構築の意思決定より,ずっと実践的で,ずっと儲かると思った.
 そんな感じで,外資の金融機関に何社かESを送ったがほぼ全滅したのはいい思い出である.今はもちろんそんなことはしないし,するつもりも無い.

社会人を経験し,おおよその意思決定とは何ぞやを理解し,再び超高速取引を学ぶ

 「フラッシュボーイズ」は小説の体裁をとりながらも,具体的に何を超高速取引業者がやっているのかをつまびらかにしている.
 私が理解できるのだから,理系上級の方たちは余裕であることには間違いないのであろうが,私なりにいくつか足りない理論を今までの経験でそうだろうと予想し,資料にまとめた.
 いくらか再解釈と妄想も入ってしまっている部分もあるかと思うが,たぶん私が人に説明するときはこんな感じで説明すると思う.

ゴールドマン・サックスの逮捕されたロシア人のやっていたことはやっぱり超高速取引にかかわることだった.

 勘があたっていたことは,別に賞賛されることではない.私が一方的にいろいろ考え,予想していただけなのだ.だが,逮捕されたロシア人の人相や,生い立ち,人格まではさすがにわからなかった.本書で,重要視した部分はそこである.
 思慮深く,共産主義の時代を生きた人物らしく,合理的であり,哲学的な側面を両方を持ちうる,3人の子の父だったらしい.文章に落としてしまえば,わずか数十バイトであるが,その人となりを知るための手続きとして,大量の情報が本書に記されている.
 少ない素性で,人を判断しようとした私の過ちに気づかせてくれた本でもあり,本当に一人の人間を判断しようとすると,かなりバックグランドから掘り起こす必要があるとわからせてもらった.

ベイズやモデル理論よりもたぶん,統計的オッズ比が重要視される「識別モデル」が重要.

 ずっと知りたかったことである.明確に本書には書かれていないが,2009年のOSSから見るに,Apache Mahoutとか,その前身か,libsvmとかあたりであろうと勝手に想像している.
 ベイズ系が当時,サチュレーションを起こしていたことを考えれば,こっちかな?っていう程度の考えであるが.
 だいぶ昔に日本の大和系列が,やたら難しい数式で,株価を予想できるといっていたが,今ではそうでない.もはや,未来永劫続くモデルなんてものは無いのだ.