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にほんごのれんしゅう

日本語として伝えるための訓練を兼ねたテクログ

車とIoT

車とIoT

 車と情報通信技術は2000年代から深い関係にあるものと、ずっと言われてきた。そのことを裏付けるものなのか、私が学生時代のときの専攻は情報工学であったが、なぜか就職推薦枠に三菱自動車があったことを覚えている。
 みんなおそらくなんとなくは気付いているが、明確に言葉にしにくい、しづらい領域の一つだった。
 IoTという言葉はInternet of Things(インターネットの物、事)とされている。インターネット上では様々な定義で溢れ、一時期の流行のユビキタスとそう変わらないものになってしまっているように見える。
 ユビキタスとは異なる、というか、IoTをIoT足らしめているのは、以下の二点だけであると、私は2015年3月に考えている。
- 1. インターネットにつながったプローブから情報を収集し
- 2. ユーザにとって最適な情報をデバイスに返すこと
 たったこれだけのことであるが、なかなか達成できていない。一つの原因はこれだ、というものは言い切れない。車とは世界レベルでガラパゴス化が進んでしまったソフトウェアデバイスのように見えて混沌としている。
 単一の基礎があり、オープンで、スキルがあれば参入できるソーシャルプラットフォームになっていないという点が不味いのか。Android端末の端末間差異がメーカーの都合により、わずかに改造され、そのわずかの差がユーザビリティデファクトスタンダードを永久に追及できないもののようになってしまっているのか。
 

問答無用で金の力でメーカを黙らせろ

 Googleが昔、独自プロセッサで動く独自OSの携帯電話業界に、リッチで、汎用的で、カスタマイズ可能なAndroidを開発し、ほかのメーカに独自の自社開発のOSを捨ててAndroidを選択しないと「ヤバい」と思わせた。
 事前にiOSという圧倒的で、使いごごちがよく、生産性が高いデバイスがあってからこそであるのだが。
 Apple CarやAndroid Autoの開発は、携帯電話業界で行ったことを、車業界で起こすと言っていることと等しい。

携帯電話のパラダイムシフトは車業界には起こらないかもしれない

 先のパラグラフで述べた、携帯電話業界を激震させたiPhoneに相当するものが、車には、ない。
 iPhoneがあったからこそのAndroidであり、Androidがあったから市場が完全にひっくり返った。
 市場を突き崩すアイスピックとなる車がないのだ。テスラモーターが該当するという意見もあるだろうが、値段が高すぎるし、車のシェアがそこまで高くない。

IoTの形態は電子書籍に近い形で達成される

 電子書籍は紙の書籍のシェアを食い尽くすことができていない。「紙特有の質感がいい」とか「何ページまで読んでいたのかわからなくなる」とか「厚みがあると安心する」とか、反電子書籍派の意見はとどまるところを知らない。
 ここまで来ると、もう、単に電子書籍に対し適応できない自分のいいわけでしかない側面が強い。
 それでも、着実にAmazonは何年もの間、赤字を垂れ流し続け、Kindleという電子書籍の統一プラットフォームを作った。ほかの小さい電子書籍会社も、自社のプラットホームとKindleのプラットフォームの両方に同じタイトルを出品していることがままある。事実上、電子書籍Kindleである。
 そんなKindleでも出版業界の柵を完全に撤廃することはできなかった。いまだに、紙オンリーとか、紙から数か月遅れでKindleに配信などがある。
 出版業界の製紙会社との付き合いは古くからあるだろうし、DTPの世界もアナログとホームページのようなデジタルをさまよっている。
 このような状態が長々と車業界でも続くだろうと思われてならない。
 一気に加速して変更とはいかないだろう未来が見える。

IoTという視点から車を見たとき、何に備え、何をすればよいのか

 車の中心部分であるECU(エンジンコントロールユニット)に対してAndroidが手を伸ばし完全にコントロール下に置くとき、どう行動するか。を想像して行動している。
 Androidのphoneというプロセスは殺せない。これを無理やり殺すとAndroid自体がハングアップする。phoneというプロセスがLinuxなのに電話という矛盾を解消している。
 車側から見たら、Androidに殺せないcar_controlというプロセスがいるイメージである。
 中小企業としての身をわきまえるなら、積極的な開発投資よりも、ECUにcar_controlというプロセスが走り始めたとき、適応できる環境、考え方、人材が必要である。
 SaaSとして、複数種類のサービスをうまく組み合わせ、総体としてちゃんと機能させることが求められる。
 今の段階では、プラットフォーム(それは車かもしれないし携帯かもしれない)に拘らず、プラットフォーム上で適切にソフトウェアを運用することできることが至上命題だと考えている。