にほんごのれんしゅう

日本語として伝えるための訓練を兼ねたテクログ

東京タラレバ娘の破壊力の高さ

 しろくま先生の本レビューを見て興味を持ったので読んだ。

p-shirokuma.hatenadiary.com

 結論から言うと人によってはメンタルに支障をきたすほどの破壊力を秘めている。私もこれはHPを大幅に持って行かれた本になる。

 しろくま先生ほど詳細な分析はできないが、30代での恋愛が異常に(今まで通りの価値観からしたら)難しい領域に入っているということは十分に理解できた。男側も30代とつきあつのであれば相手の心理状態をちゃんと察して何が心の拠り所になっているか把握しておく必要があるだろう。

 強迫神経症という言葉がある。「〜しなければ」「〜していたら」という一つの物事に対する強い執念みたいなものである。社会生活に問題を期するほどになると、これは病気に属する。病気のような病気じゃないような内容を、見事に社会生活の中で、結婚というキーワードを使ってここまで漫画で昇華したものだ。

 結婚は人生のQoLにおいて非常に重要な素性の一つである。QoL関数があったとしたら結婚しているかしていないかで雲泥の差が出てくる。不思議な素性の一つで、人間が社会生活を営む上でやはり避けて通れない道なのだろう。Amazonのレビューにあるように「いや、自分にはそんな価値観ないですから星一つです」とか言っていられないのですよ、データでみると。何となく空気感で皆さんが察するところではあると思いますが、もう私は無理、読んでてその不器用なまでに恋愛・結婚を求める姿を見ると、もうどうしたらいいか。確かに神経症のひとつだわ。

 別に生き方なんて人それぞれでどうでもいいでしょう、という考え方や、結婚することで変動する寿命バイアスやQoLにさえ目をつむれば、自由に生きる価値観というものが少しながら見えてくるのではないか。今の世の中、結婚できるほど社会適合性が元から高いのであれば、結婚すればいいし、そんなになければ結婚せずに自由に(人生の敗者と蔑まれながらも)生きれば良いと思う。だって、労働の価値観の変容でフリーターが大量発生したんでしょう。恋愛だってそりゃ変わりますよ。